「ナチュラル」と「ウォッシュド」の中間の「ハニープロセス」。味の変化を知ろう!

コーヒー店でコーヒーを注文すると、「これは、○○のナチュラルです」と、紹介されたり、メニューに「○○農園、ウォッシュド」と書いてあったりすることがありますね。

コーヒーの種類なのかな?と思ってしまうかもしれませんが、これはコーヒーの生産処理方法のことを指しています。

コーヒーの生産処理方法には、大きく分けて「ナチュラル」「ウォッシュド」「ハニープロセス」「スマトラ式」の4つがあります。この記事では、その中の「ハニープロセス」について詳しく紹介していくので、処理方法で味わいはどう変わるのかをチェックしていきましょう。

生産処理方法のひとつハニープロセスとは?

コーヒー豆は、コーヒーノキ(コーヒーの木)になっている果実の中に入っている生豆を取り出して乾燥させたものです。

この果実は赤くさくらんぼのような色をしているので、コーヒーチェリーと呼ばれています。果実を取り出して乾燥させるまでのプロセスを「生産処理方法」と言い、上記で説明したように4つの方法があります。

ハニープロセスは、果実をそのまま乾燥させるナチュラルと、機械で外皮と果実を取り除き、水で洗って乾燥させるウォッシュドの中間の方法です。

パルプドナチュラルとも呼ばれており、ハニープロセスは中南米産のコーヒー豆、パルプドナチュラルはブラジル産のコーヒー豆に使われます。

ナチュラルは果実がついたままなので、果実に含まれるいろいろな成分が生豆に吸収され、深いコクや強い甘みがあります。

ただし、果実ひとつひとつに含まれる成分の量や配分が微妙に異なるため、味が一定しません。ウォッシュドは果実を取り去ってしまうので、ナチュラルのようなコクや甘みはありませんが、あっさりとした味わいで味が安定しています。

ハニープロセスは、このふたつの生産処理方法のいいところを取った生産処理方法なのです。

ハニープロセスの生産処理方法とは?

ハニープロセスの生産処理方法は、途中まではウォッシュドと同じです。

ウォッシュドは、収穫したコーヒーチェリーの外側の皮と果肉を、パルパーと呼ばれる果肉除去機を使って取り除きます。

ハニープロセスは、ここまでは、ウォッシュドと同じですが次の処理が異なります。ウォッシュドは、この後コーヒーチェリーの果肉の皮についている「ミューシレージ」を洗い流します。

「ミューシレージ」とは、果肉の種についている『ぬめり』のことです。ウォッシュドなどはこのヌルヌルとした粘液を洗い流しますが、ハニープロセスは全て洗い流さずに残します。

その後は、天日で乾燥させて終了です。ミューシレージは粘着性があるのでくっつきやすく、こまめにくっつかないように手をいれないといけないため、ウォッシュドに比べて手間暇や人件費がかかります。

ハニープロセスの特徴は?

ハニープロセスには次の特徴があります。

残されたミューシレージの量で味が変わる
ミューシレージには甘みやコクがあるので、どれくらいの量を残したかによってコーヒーの味が変わります。

ハニープロセスは、果肉に残ったミューシレージの量で、次のように分類されています。

●ホワイトハニー
ミューシレージを90%除去

●ゴールデンハニー
75~80%除去

●イエローハニー
50%除去

●レッドハニー
0~25%除去

●ブラックハニー
0% かつ糖度が高いコーヒーチェリーを使用

欠点豆が少ない
機械を使って果肉を取り除くので、人力で選り分けるナチュラルに比べて欠点豆が少なくなります。

そのため、ウォッシュドと同じく失敗が少なく、安定した味を提供できます。

排水量が少ない
ウォッシュドのように水を使って洗い流さないので、使う水の量が少なくてすみます。

味にほどよい甘みやコクがある
ウォッシュドのように果肉を全て洗い流さないので、甘みやコクがあります。

ナチュラルは、果肉の成分が全て吸収されるため、個性が強すぎるように感じる場合もあります。

ハニープロセスは果肉を適度に残すので、残し方で味わいが変わりますが、ナチュラルのような個性の強さは感じません。

ハニープロセスで生産処理されたコーヒーの味は?

ハニープロセスで生産処理されたコーヒーは、ウォッシュドに比べて甘みやコク、複雑さが増しています。

ミューシレージの割合で細かな味わいは異なりますが、カシスやオレンジのようなフルーツ感やキャラメルやミルクチョコレートのような甘さが感じられると言われている深い甘味のある味わいです。

焙煎によっても味が変わり、浅煎りに近くなるほどフルーツ感や甘酸っぱさが感じられ、深煎りに近くなるほどコクや甘さが増します。

ハニープロセスの細かな違いを楽しもう

ハニープロセスは、上記で説明したようにミューシレージの残っている割合で味がかなり異なります。

同じハニープロセスでも、イエローハニーとホワイトハニーを比べて見ると、豆の見た目は少し色が違うくらいですが、飲んでみるとはっきりと違いを感じることができます。

コーヒー店で味の違いを楽しむこともできますが、自宅で同じ産地でミューシレージの残り方が違うコーヒーを飲み比べてみると、楽しさが倍増しますよ。

生産処理方法の違いで飲み比べるもよし、ミューシレージの残り具合で比べるもよし、それぞれ焙煎方法を変えてみるもよし、と楽しみ方は無数にあります。

好みのコーヒーを知るためにも、何通りもある味わいの変化を楽しんでみませんか?

自分の好みに合った生産処理方法を知ると、毎日のコーヒータイムがさらに豊かなものになりますよ。