フレンチプレスでコーヒーを美味しく入れるコツ

フレンチプレスでコーヒーを美味しく入れるコツ

『コーヒープレス』とも呼ばれ、紅茶の抽出器具として人気があり、シンプルなデザインのフレンチプレス。コーヒーオイルが抽出できるため、コーヒー豆本来の味と香りを楽しめます。

コーヒー粉とお湯をポットに入れてプランジャーを押すだけでできあがるため、コーヒー初心者でも手軽にコーヒーを入れられるコーヒー器具です。

今回はそのフレンチプレスの知識、必要な器具や入れ方、入れるコツまでをご紹介します。

目次

  1. フレンチプレスとは
     ①特徴
     ②ハンドドリップとの比較
  2. 準備
     ①器具を揃える
     ②使用するコーヒー粉と使用量
  3. 入れ方
  4. 美味しく入れるコツ
  5. 最後

■フレンチプレスとは

フレンチプレスとは、ガラスでできた筒状のポットと金属フィルターがついたプランジャーで組み立てた、シンプルなコーヒー器具。フランスで誕生したといわれていますが、現在のコーヒープレスの原型は、1929年にイタリアのアッティリオ・カリマーニによって作られました。『カフェプレス』とも呼ばれています。

ガラスボールにコーヒー粉を入れ、お湯を入れてから数分間待つだけでできあがります。コーヒー粉とコーヒーオイルがコーヒー液に混ざるため、ハンドドリップより濁った色が特徴。また、金属フィルターを使用するため、コーヒーの成分をしっかり抽出できるというメリットがあります。

①フレンチプレスの特徴

・簡単手軽にコーヒーを入れられる
フレンチプレスの一番の特徴は、簡単な入れ方です。豆の使用量と湯量、抽出時間を決めれば誰でもおいしいコーヒーを入れられます。手順が少ないので、準備から抽出まで時間がかかりません。ハンドドリップより手軽にコーヒーを入れるメリットがあるため、忙しい朝にぴったりです。

・豆の特性を愉しむことができる
フレンチプレスは浸漬式でコーヒーを入れるため、コーヒー豆の成分をしっかり抽出でき、豆の風味と特徴をダイレクトに感じられます。豆本来の味わいと特性をそのまま楽しめます。

・コーヒーオイルを愉しめる
金属フィルターを使用するため、コーヒーの香りと風味の元であるコーヒーオイルが抽出されます。コクがあり、濃厚な味わいのコーヒーを楽しめます。

②ハンドドリップとの比較

・抽出方法の違い
フレンチプレスは、お湯にコーヒー粉を浸してコーヒーを抽出する浸漬式です。透過式より味が安定した抽出方法で、コーヒー成分が残らず抽出され、比較的に甘味を感じやすいことが特徴。

一方、ハンドドリップは、コーヒー粉にお湯を通してコーヒーを抽出する透過式。お湯が透過するだけでコーヒー成分を抽出するため、比較的にクリアな味わいになりやすいことが特徴。

・手順数の違い
フレンチプレスは、ガラスボールにコーヒー粉とお湯を入れて、数分間を経過したらプランジャーを押すだけで出来上がります。

一方、ハンドドリップは、お湯を何回かに分けて入れることが必要で、抽出過程が多いです。また、投入したお湯の量と時間も注意しなければいけないので、お湯を入れる時に技術が必要で、フレンチプレスより多少複雑です。

・後片付けの手間の度合い
フレンチプレスは、金属フィルターを使用するため、後片付けの手間がかかります。抽出後にプランジャーを分解してしっかり洗浄することが必要です。フィルターに付けたカスやオイルをしっかり落とさずそのまま乾かすと酸化してしまう可能性があり、次回コーヒーを入れる時に味に悪影響を与えます。

一方、ハンドドリップはフィルターの素材によって違いますが、ペーパーフィルターを使用する場合、抽出後のコーヒーカスをペーパーフィルターと一緒に捨てられるため、扱いが簡単です。

■入れるための準備

①器具を揃える

自宅で手軽に雑味のないおいしいフレンチプレスコーヒーを愉しむために、まずフレンチプレスを入れるための器具をチェックしていきましょう。

【準備するもの】

  • フレンチプレス
  • コーヒーケトル
  • スケール
  • カップ(&ソーサー)
  • お好みのコーヒー(コーヒー豆の場合、コーヒーミルも必要)
入れるための準備

②使用するコーヒーと使用量

コーヒー1杯分(約120cc)にあたり、10gのコーヒーが適量。挽き目は粗挽きがおすすめですが、好みによって調整してください。豆の種類と焙煎度はお好みで選んで問題ありません。なお、コーヒーミルを持っていない場合、豆を購入したお店で挽いて粉にしてもらいましょう。

■入れ方

1.コーヒー粉を用意してガラスボールを温めておく

コーヒー1杯分(約120cc)にあたり、10gのコーヒーが適量。挽き目は粗挽きがおすすめですが、好みによって調整してください。豆の種類と焙煎度はお好みで選んで問題ありません。なお、コーヒーミルを持っていない場合、豆を購入したお店で挽いて粉にしてもらいましょう。

コーヒー粉を用意してガラスボールを温めておく

2.お湯を入れ、蒸らす

コーヒー粉全体が湿るまでお湯を入れ、30秒から1分間蒸らします。(豆から出た炭酸ガスの層が落ちつくタイミングが目安です)

お湯を入れ蒸らす

3.残りのお湯を入れる

残りのお湯を入れ、プランジャーをのせてコーヒー粉の対流が収まるまで待ちます。

残りのお湯を入れる

4.フィルターをゆっくり押し下げてできあがり

残りのお湯を入れて2分が経過したらゆっくりプランジャーを押し下げます。(フィルターが下がりにくい可能性があるので、その場合は2~3回に分けて押し下げてください)
温めたカップに注いでできあがりです。

フィルターをゆっくり押し下げ
できあがり

■美味しく入れるコツ

フレンチプレスは手順が少なく、お湯を注いでから数分間を待つだけで飲めるため、仕事中でも手軽にコーヒーを入れられます。

しかし、浸漬式でコーヒーを抽出するため、抽出されすぎると、渋味と雑味が出やすいので、おいしいフレンチプレスコーヒーを味わうため、知っておきたい5つのポイントをご紹介します。

・蒸らし
コーヒー成分をしっかり引き出すため、蒸らしは不可欠な作業です。
ガスを放出すると、コーヒーとお湯がなじみやすく、コーヒーの成分も引き出しやすくなります。コーヒーの味わいがより厚く、全体のバランスも良くなります。

・豆の使用量、湯量と抽出時間をしっかり測る
先述の通り、フレンチプレスは浸漬式の抽出方法のため、コーヒーの味が出やすいです。抽出時間が短いと薄い味になり、逆に長くすると雑味と渋味が出てしまいます。そのため、抽出時間は3分以内がおすすめです。

豆の使用量が多いと味が濃くなり、逆に少ないと味が薄くなってしまいます。
湯量も同じで、多すぎると、味が薄くなってしまい、少なすぎると、味が濃くなります。
湯量、豆の使用量、時間などの要素によって味が変わるので、お好みで調整して、好きなパターンを見つけましょう。

・沸騰直後のお湯を使用
コーヒーの味と香りをしっかり引き出すため、高温のお湯を使いましょう。
コーヒーの風味は、お湯の温度によって変わります。温度が高いほどコーヒー成分が抽出されやすくなるため、高温での抽出をおすすめします。

また、冷たい抽出器具をそのまま使用すると、お湯の温度が下がって、コーヒーの抽出が不十分になってしまいます。そのため、抽出前にコーヒー器具を温めておきましょう。

・フィルターをゆっくり押し下げる
微粉が出すぎないように、ゆっくりフィルターを押し下げることが重要です。
金属フィルターを使用するフレンチプレスは、微粉がメッシュから出やすい特徴があるため、フィルターを押し下げるスピードに注意しましょう。強く押すと、微粉が舞い上がることになり、コーヒーの味と口当たりに影響します。

また、コーヒーを注ぐ際、最後まで注ぎ切らないように注意しましょう。最後まで注ぎ切ると、微粉がカップに多く入る可能性があり、味わいが苦くなったり、口当たりも悪くなったりしてしまいます。

・フィルターをしっかり洗浄
コーヒーの味に悪影響を与えないように、金属フィルターをしっかり洗浄しましょう。

コーヒーオイルとコーヒーの微粉は金属フィルターに付くため、抽出後にそのまま乾かしておくと、オイル成分が酸化してしまい、嫌なにおいの原因になってしまいます。においが付いたフィルターを使ってコーヒーを入れると、コーヒーの味にうつってしまい、入れ立てのコーヒーも愉しめなくなってしまいます。

水が残っている状態でしまうと雑菌が繁殖しやすいため、しっかり水を拭いてからプランジャーにしまいましょう。

■最後に

コーヒー豆の風味を確認する時には、カッピングが行われます。その際、挽いたコーヒー豆にお湯を注いで、上澄みの部分をテイスティングします。

フレンチプレスは、そのカッピング方法に一番近く、コーヒー豆が持つ風味・香りをそのまま味わえる入れ方。そのため、新しいコーヒー豆を買ったら、先にフレンチプレスで豆の特性を味わってみるのがおすすめです。

また、ハンドドリップを慣れている方も、ぜひこちらの記事を参考にして、今までと異なる抽出方法でコーヒータイムを楽しんでみてはいかかでしょうか。

【動画】

フレンチプレスで入れるおいしいコーヒーのコツ YouTube動画

【Webストーリー】

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コーヒーステーション編集者
自分ではなかなか難しいコーヒー選びをサポートすること。コーヒー器具の開発、販売を手がける株式会社ハリオ商事自ら、コーヒーの淹れ方やコーヒー豆の選び方などを発信しています。

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