栽培も盛ん!アジア最大の生産量を誇るインドコーヒーを味わってみよう

インドの飲み物は?と聞かれるとほとんどの人が「チャイ」「ラッシー」「紅茶」と答えるのではないでしょうか?間違いではありませんが、インドではコーヒーの栽培も盛んなのです。

実はインドのコーヒーの歴史は紅茶よりも古くから始まっており、1600年代に当時コーヒーの栽培を極秘に行っていたイエメンから、メッカに巡礼中だった僧侶がこっそりと7粒盗んで帰ったのが始まりだと言われています。

この記事では、そんなインドのコーヒーについて詳しく紹介します。

インドコーヒーの品種

世界中のコーヒーは、大きくアラビカ種とロブスタ種の2つに分類されます。アラビカ種は、病害虫に弱く栽培に手間がかかりますが、酸味がありフローラルな香りがするのが特徴です。

対してロブスタ種は病害虫に強く、アラビカ種に比べると低い高度の地域でも育てら、苦みや香ばしい香りを楽しめます。インドコーヒーは1861年にサビ病が流行したことにより、当時育てていたアラビカ種のほとんどが全滅して紅茶の栽培に切り替えられました。

しかし、その後、病災害に強いロブスタ種や、ケント種、カティモア種、S795種などの品種改良されたサビ病に強いアラビカ種に変えて再びコーヒーの栽培が行われるようになりました。

その結果、現在のインドコーヒーは、約60%がロブスタ種で約40%がアラビカ種で占められています。

インドコーヒーの特徴

インドコーヒーは全体的に甘味と酸味のバランスが取れており、雑味が少なくクリーンで飲みやすいのが特徴です。

アラビカ種とロブスタ種で味の特徴が異なっていて、アラビカ種はまろやかで甘味があり、深煎りするとチョコレートのような風味がすると言われています。

ロブスタ種は、苦味があり、独特な渋みがあります。一般的にロブスタ種はアラビカ種よりも安価ですが、インドコーヒーのロブスタ種には、ものによってはアラビカ種よりも高価なものもあります。

また、インドコーヒーのもう1つの特徴に「モンスーンコーヒー」があります。

コーヒーは収穫された後、「ナチュラル式」や「ウォッシュ式」「ハニープロセス」などの生産処理方法で処理されるのですが、インドには独自の生産処理方法があり、「モンスーンコーヒー」はインド独自の方法で処理されたコーヒーを指します。

モンスーンコーヒーの始まりは、18~19世紀ごろでインドからヨーロッパにコーヒー豆を輸出する際に偶然発生したと言われています。当時はインドからヨーロッパまでの移動には半年以上かかり、船倉の空調管理もなかったため、輸出中にコーヒー豆が発酵してしまいました。

ところがこの発行したコーヒー豆で淹れたコーヒーは、酸味が少なく甘味や独特な風味、スパイシー感があるとてもおいしいものだったのです。

また、発酵により生豆の色が緑色から黄金色に変わっていたことから、このコーヒーは「黄金コーヒー」とも呼ばれ、愛飲されました。

その後、輸送機関の短縮や温度管理の向上により、コーヒー豆が発酵しなくなったため黄金コーヒーはなくなってしまいますが、「また飲みたい」との声が多く、それに応える形で復活しました。

新しい黄金コーヒーは初期の輸出時に発酵してできたものとは違い、生産処理の際にインドに吹くモンスーン(季節風)に7週間ほどあてて作られていることから、現在は「モンスーンコーヒー」と呼ばれるようになりました。

インドコーヒーの等級

インドコーヒーの等級は、他のコーヒーの等級付けと異なり、豆の種類と生産処理方法によって以下の4つに分けられています。

プランテーション
アラビカ種をウォッシュド(豆を乾燥させる前に水で洗う方法)で処理したもの

アラビカチェリー
アラビカ種をナチュラル(豆をそのまま乾燥させる方法)で処理したもの

パーチメント
ロブスタ種をウォッシュドで処理したもの

ロブスタチェリー
ロブスタ種をナチュラルで処理したもの

また、豆の大きさや栽培された場所の標高によって、アルファベットで品質が上からAA、A、B、B以下、PBと格付けされています。

加えて、モンスーンコーヒー豆にも・モンスーンマラバールAA・バサナリーの2つの等級が存在します。

その中で、日本で最も多く市場に出回っているインドコーヒーはモンスーンコーヒー豆の「モンスーンマラバールAA」だと言われています。

インドコーヒーはどこで生産される?

インドは北部では紅茶、南部ではコーヒーが栽培されています。インドの南部は高地で標高が1000mを越えるため、コーヒーの栽培に適しています。

本来であれば、赤道近くに位置するインド南部では、その暑さからコーヒーを栽培するのには向いていません。しかし、フルーツやスパイスの木をシェードツリーとして植えて日差しを防ぐことで栽培を可能にしています。

さらに、シェードツリーの落ち葉は、肥料になって土壌を豊かにする働きもあるため、化学肥料をあまり使わずにコーヒー豆を栽培できるメリットもあります。

インドコーヒーの生産地
インドコーヒーは、インド南部の次の地域で栽培されています。

●ルナカータ州
70%がロブスタ種で、インドコーヒーの50%を生産しています。

●ケーララ州
ほとんどロブスタ種で、インドコーヒーの約30%を生産しています。

●タミル・ナードゥ州
ロブスタ種とアラビカ種のどちらも栽培しており、インドコーヒーの約10%を生産しています。

インディアンコーヒーでインドコーヒーを楽しもう

インドコーヒーは、飲み方も独特です。インドでは、コーヒーは「インディアンコーヒー」や「マサラコーヒー」などの淹れ方で多く飲まれています。

インディアンコーヒーは、ドリップした少量のコーヒーに砂糖と温かいミルクを入れ、別のカップに高いところから注ぐ淹れ方で、数回繰り返すとコーヒーに空気が含まれて泡立ちます。

もう1つの飲み方のマサラコーヒーは、深煎りしたコーヒーにナツメグやシナモンなどの香辛料とミルクを入れたチャイのコーヒーバージョンです。香辛料で一気にエキゾチックな雰囲気になり、味わいや香りも普段のコーヒーと違うので気分転換にも良いですね。

どちらも比較的簡単な淹れ方なので、手軽に自宅でインド流のコーヒーを楽しめます。

休日はいつもと少し趣向を変えて、エキゾチックなインドコーヒーを淹れて、インドの雰囲気を楽しんでみませんか?

クリーミーなコーヒーが飲みたい時や、少し変わったコーヒーが飲みたい時は、遠い国で愛されるインドコーヒーを思い出してみてくださいね。