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コーヒー豆はどうやって選別しているの?生豆から選別や格付けの方法を解説

コーヒー豆はどうやって選別しているの?生豆から選別や格付けの方法を解説

美味しいコーヒーを入れるために大切なのは、良いコーヒー豆を手に入れることです。コーヒー専門店やスーパーなどで入手するコーヒー豆は、どのような経緯を経て売り場に並んでいるのでしょうか。ここでは、意外と知られていないコーヒー豆の選別方法や格付けについて解説します。

コーヒー豆の選別方法と流れ

コーヒー豆を買うときは、すでに袋に入っているものや店員に豆の種類や量などを指定して購入するなどの方法がありますが、基本的に用意されている豆を入手することになります。

野菜や果物のように実際に手に取って品物を選ぶようなことはしないので、豆一粒ずつチェックしたことはありませんが、コーヒー豆は、収穫して店に並ぶ前に選別と格付けをされています。

では、どのように選別されているのでしょうか。ここでは、収穫されてから選別され出荷されるまでの流れを説明します。

【乾燥】コーヒー豆を収穫したら豆の水分含有量が10%になるまで天日やドライヤーで乾燥させます。

【脱穀】乾燥したコーヒー豆を脱穀機にかけて殻を取り除きます。殻を取り除いたコーヒー豆が生豆となります。

【選別】ここからコーヒー豆の選別が始まりますが、選別には、いくつかの方法があります。農園や店舗によってこれらのいくつかの方法で選別していきます。

・金属探知―磁石を使った磁選機で釘などの金属製の異物を取り除きます。

・風力選別―巨大な扇風機のような機械を使い風力と重力で豆より軽い異物を選別します。

・粗選別―2種類の大きさの網を通して生豆よりも大きな異物と小さい異物を取り除きます。

・スクリーン選別―豆の大きさを選別します。コーヒー豆は大きい方が良いので、サイズの異なる金属製の網に乗せて振動を与え小さい豆が落下する仕組みとなっています。

・比重選別―豆の大きさ同様にコーヒー豆は、重い方が高級とされています。そのため、傾斜のある金属板に豆を乗せ下から送風し軽い豆と重い豆を選別します。

・電子選別―生豆の色を指定したレーザーを当てて、その色の豆以外を除去します。

・ハンドピックー人の目で生豆をチェックしていき、欠点豆を取り除いていく作業です。自家焙煎を行う店やエチオピア、グアテマラなどで行われている手法です。

コーヒー豆の選別方法と流れ

欠点豆の種類

コーヒーの生豆を選別して除外された豆を「欠点豆」と呼びますが、どのような豆が欠点豆として除外されるのでしょうか。

・貝殻豆―乾燥するときに失敗してしまった豆で煎りムラの原因となります。

・割れ豆―乾燥や搬送の際に割れてしまった豆です。割れ豆があると、煎りムラになり味が安定しなくなります。

・虫食い豆―蛾の幼虫などが豆に入り込んでしまうことがあります。虫食い豆があると、異臭や濁りの原因となりコーヒーの味に違和感が生じます。

・黒豆・カビ豆―生豆の発酵やカビの付着があると黒く小さい豆になります。これらの豆は腐敗臭や濁りの原因となります。

・発育不良豆―成長しきれなかった豆で、サイズが小さいことやいびつな形をしています。発育不良豆があると青臭さやイヤな渋み、酸味の原因となります。

・パーチメントーコーヒー豆の内果皮のことをパーチメントと呼びます。パーチメントは、生産過程で剝がれるものですが、付いたままのこともあります。このパーチメントが付いているとえぐみや渋みの原因となります。

・レッドスキンー自然乾燥をしているときに雨が降るとみられる現象で、豆に赤っぽい線が入るのですぐにわかります。レッドスキンになると希薄な味になるといわれています。

・コッコーうまく脱穀できずに果肉が残ってしまった豆のことをコッコと呼びます。コッコがあるとヨード臭やアンモニア臭の原因となります。

他にも豆の内部まで発酵してしまった「発酵豆」や雑味の原因となる「シルバースキン」豆が大きすぎるなどの「異形豆」などがあるので、コーヒー豆を購入したときは、チェックしてみると良いでしょう。

コーヒー豆の格付けは?

コーヒー豆は、格付けされていますが、この格付けは世界的に統一されているものではなく、生産国によって行われています。

そのため、格付けの基準が国によって異なることもありますが、だいたいは「生産地の標高」と「欠点豆の数」「粒の大きさ」によって決定されています。

コーヒー豆は、標高が高い場所で栽培するほど美味しい豆ができるとされています。そのため、標高が高い産地のコーヒー豆の方が高いグレードと判定されます。

また、欠点豆が少しでもあるとコーヒーの味が損なわれるので、無作為抽出した規定量のコーヒー豆をチェックして何粒欠点豆があるかで格付けが行われます。

さらに、コーヒー豆は、粒の大きさも評価の基準となるので、粒の大きさを揃えることで格付けを行うこともあります。

例えば、グアテマラは、コーヒー豆を栽培している山の標高が格付けの基準となっており、標高1,350m以上が一番上位のSHBとなっています。

また、コロンビアは、豆の大きさ、エチオピアは、欠点豆などの欠点数で格付けされています。他にも、欠点数と豆のサイズ、味で格付けをしているブラジルなどもあります。

コーヒー豆の格付けは?

自分でも豆を選別してみよう

コーヒーを美味しく入れるために、ドリップやフレンチプレスなどの方法があります。

しかし、どんな入れ方をしても豆が良くなければ美味しいコーヒーを入れることはできません。

コーヒーの良い豆とは丁寧に選別され欠点豆が少なく均一の豆が揃っている状態といえるでしょう。

豆の産地や格付け、入れ方、器具にばかり注目されがちなコーヒーですが、一度購入した豆を自分でハンドピックしてみると、さらに美味しいコーヒーを入れることができるかもしれません。