【対談】焙煎士坂口憲二×バリスタ成澤敬介「僕たちの選ぶコーヒー道具とは」

コーヒーを淹れるための抽出器具

ドリッパーひとつとっても様々な種類があります。
今回はThe Rising Sun Coffeeのロースター坂口とバリスタ成澤で抽出器具について話してみました。

坂口:抽出器具なんだけど、いっぱい種類あるよね。
成澤:ありますね。坂口さんはどんな抽出器具が好きですか?
坂口:元々コーヒーを好きになったきっかけが、ポートランドに行ったときの『COAVA COFFEE』での体験なんだよね。
そこでバリスタがCHEMEXにKONEのステンレスフィルターを使ってドリップしているのを見て、「かっこいいなー」って思った。
道具とかも好きだったのでいろいろ見ていたんだけど、やっぱりCHEMEXはかっこよくてステンレスフィルターで淹れたコーヒーも美味しかった。
コーヒーって美味しさだけでなく、こういうかっこよさもあるなーって思った。

成澤:そこも大事ですよね。
坂口:それに感化されて、成澤さんのコーヒーセミナーにたどり着いたんだだよね(笑)
成澤:ありがとうございます(笑)
そういえばセミナーをしていた当時のお店もCOAVAと同じステンレスフィルターを使っていましたね。

坂口:いまうちのお店はペーパーで抽出しているけど、言われればステンレスフィルターでもドリップでだしているんだよね。
成澤:メニューにはこっそり書いています。

坂口:実際にステンレスフィルターで淹れてみよっか。
成澤:ペーパーに比べオイル分がでるので、口当たりが変わりますね。
坂口:できあがった液体を見ても濁りがあるね。
ステンレスは多少微粉が入っちゃうけど、それも美味しく感じられるよね。

坂口:あとは、最近だとアンバサダーをさせてもらっている「Zebrang」。
元々V60っていう世界中で使われているドリッパーがシリコン製になったもの。
成澤:V60はガラス、樹脂、セラミック、ステンレス、銅と、いろいろな素材ででていますね。
坂口:そうそう。とうとうシリコン製で折り畳みもできるようになってね。
なんかやっぱり淹れやすいっていうイメージがあるかな。
成澤:僕も使い慣れているドリッパーがV60なので淹れやすさはありますね。

坂口:最近はORIGAMIもよく見るよね。
成澤:2019年の競技会で世界チャンピオンが使ったことも大きく影響していると思います。
坂口:なるほどね。有名なバリスタさんが使ったから選ばれるっていうこともあるのか。
philocoffiaの粕谷さんも器具の開発に携わってオリジナルドリッパーをだしていて、そういうのも楽しいよね。

坂口:俺なんかはどちらかというと器具から入ったみたいなところもあって、いろいろな器具で淹れてみたりしているうちに焙煎にも興味を持つようになってコーヒーとの関わりが広がっていったんだよね。
道具は大事だし、見た目もかっこいいしね。
Zebrangがだしている真空二重マグなんかもシックでかっこいいよね。
コーヒーも淹れられるし、保温マグとしても使えるし便利。
コーヒーってシチュエーションでだいぶ味わいが変わるから、外で飲むときとかはZebrangで揃えて飲むのもかっこいいし、いいよね。

成澤:お気に入りの器具を使うとテンションが上がりますしね。

坂口:うちも今年コーヒーバッグを作って、海に行くにも山に行くにも、これひとつあればどこでもコーヒーを楽しめるっていうセットをだしたけど、淹れる過程を楽しんでもらいたいっていう想いがあるんだよね。
成澤:初心者の人でもとりあえずこのバッグがあればどこでもコーヒーを楽しめますね。
坂口:お湯を沸かして、豆を挽いて、セットしてドリップしてっていう、この時間が楽しいよね。

坂口:成澤さんはどんな器具が好きなの?
成澤:僕はエアロプレスがお気に入りですね。
坂口:なんかコーヒー業界とは全然別の会社が作っているんだよね?
成澤:アメリカのフリスビーの会社が開発したんです。
割れないし、コンパクトなのでアウトドアにもおすすめなんです。レシピの幅が広いのも面白いです。

坂口:競技会でも使っているんでしょ?
成澤:使っていますね。これも実際に淹れてみましょうか。

坂口:甘いね。なんか甘さがでやすいイメージがある。
成澤:ありますね。
坂口:ちゃんと美味しいのもすごいよね。
成澤:見た目は抽出器具っぽくないけど、優れものなんです。
ただ1回の抽出であまり量がとれないっていうのは欠点かもですね。

坂口:豆によって抽出器具を変えることってある?
成澤:ありますよ。ただ、こっちのほうが美味しいからっていう理由で変えることはあまりないです。それよりも気分とかかな。
坂口:シチュエーションとか? 
成澤:そうですね。例えば老舗で買ったクラシックな深煎りのコーヒー豆だったら陶器の台形ドリッパーで、クラシックなドリップポットで淹れてみたりとか。
逆に最近の新しい品種のコーヒーとかは最先端の道具で淹れたりとかも。
雰囲気を味わっている部分が多いです。
坂口:それ大事だね。
成澤:そうなんです。自分用に淹れるときにはあまり、美味しさよりかは器具だったり雰囲気を楽しんでいます。
坂口:確かに、カップだったり場所だったりで味わいも違うし、組み合わせは無限だね。
美味しさも10人いたら10通りあるだろうしね。
成澤:そう。だから色々と選択肢として器具があるのは楽しくなると思います。
坂口:ブランドで統一させてもかっこよくていいしね。

成澤:いまセミナーを開いていて、お客さんに「器具はどれがいいんですか?」と聞かれることが多いんですが、好きなものを買ってくださいって言っています。
自分が好きなものを買って、気分を上げて淹れるのが一番美味しくなると思います。
坂口:最初はそれでいいよね。そこから自分なりの器具だったり淹れ方を見つけてもらうのがいいよね。
ミルなんかもこだわりだしたらキリがないからね(笑)
成澤:その話はまた別の機会にしましょう(笑)

【坂口憲二氏プロフィール】

1975年生まれ、東京都出身。1999年のデビュー以来、俳優として活躍。 2018年に病気の治療に専念するため芸能活動の無期限休止を発表。
その後、西海岸で出会ったコーヒー文化の魅力に目覚め焙煎士としてのキャリアを開始。
2019年には『ザライジングサンコーヒー』を立ち上げ、代表兼ロースターとなる。

坂口憲二氏

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